
昨日、盛岡の「さんさ踊り」を初めて見に行ってきました。
テレビや写真で見たことはあったものの、実際に目の前で見るさんさ踊りは、まるで別世界。太鼓の音に包まれて、街全体がひとつになっているような感覚に鳥肌が立ちました。
ところで、さんさ踊りには実は約400年以上の歴史があるのをご存じでしょうか?
そのルーツは、盛岡周辺に伝わる「三ツ石伝説」にあります。昔この地を荒らしていた鬼が、人々の願いにより三ツ石神社に封じられ、「もう悪さはしません」と誓って岩に手形を残したという言い伝えです。その鬼退治を祝い、人々が太鼓を打ち鳴らして踊ったのが、さんさ踊りの始まりとされています。
「悪霊を払う」「地域の平和を祈る」といった意味が込められており、ただの祭りではなく、土地の魂を表現する神聖な舞なんですね。
その歴史を知った上で見るさんさ踊りは、また一段と感慨深いものでした。
一糸乱れぬ踊り、力強く響く太鼓のリズム、そして会場を包む熱気と笑顔。小さな子どもから年配の方まで、それぞれの想いを込めて踊る姿に、胸が熱くなりました。
屋台の焼きそばや冷たいスイーツを食べながら、夏の夜風を感じるひとときも格別。目でも耳でも、そして心でも楽しめるお祭りでした。
伝統を守りながら、今もなお進化を続けるさんさ踊り。
この文化の奥深さと、地域の人たちの想いに触れられたことが、今回の旅で一番の収穫です。
来年はぜひ、踊る側として参加してみたいと思います。
まだ見たことがない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。歴史と情熱に包まれる、東北でも暑い夏の夜が待っています。